お知らせ

ニューロフィードバックとは

2020年4月に広島大学より、治療抵抗性のうつ病患者に対し左前頭葉の活動を高めるニューロフィードバック訓練をしたところ、うつ症状と反芻思考が改善したという論文が報告されました。

本日はニューロフィードバック訓練について勉強会をした内容を報告します。

ニューロフィードバックとは、自分の脳活動を可視化し、リアルタイムでモニターしながらその活動を訓練により制御していく治療です。機能的MRI(fMRI)や定量的脳波検査(QEEG)を用いて可視化をします。

バイオフィードバック

ニューロフィードバックとは

バイオフィードバック

脳波、心拍数、呼吸数、発汗度、体温などの生理的指標(=bio)を測定し、見える化をしながら、自ら意識的に身体をコントロール(=feedback)して、健康の改善やパフォーマンスの向上を達成しようとする方法をバイオフィードバックと言います。

ニューロフィードバック

バイオフィードバックの中でも脳神経活動(=neuro)に特化して、脳血流や脳波を測定するものをニューロフィードバックと言います。ニューロフィードバックは、リアルタイムのフィードバックを通じて、特定の神経活動が自己調整できるようにトレーニングすることを目的としています。この学習プロセスは、オペラント条件付けに基づき、侵襲性や依存性を伴わないことが特徴です。

適応

特に欧米においてニューロフィードバックの技術や治療は進んでおり、適応範囲は、ADD/ADHD、自閉症、うつ病、てんかんと多岐にわたっています。現在では、プロスポーツ選手や音楽家のパフォーマンスを向上させるためにも適用されています。

治療の流れ

1)現在の状態を把握する

機能的MRI(fMRI)や定量的脳波検査(QEEG)を用いて

一人一人の脳活動をリアルタイムに計測し、可視化します。

2)トレーニング計画の作成

理想の脳活動を目標にトレーニング計画を立てます。

3)ニューロフィードバック

状態に応じてトレーニングを繰り返します。

4)カウンセリング

困りごとの状況・状態が変化しているかの確認、適宜トレーニング計画の調整を行います。

うつ病に対するニューロフィードバックの報告

2020年4月に広島大学の研究グループが

ニューロフィードバックでうつ病を改善に導く治療法を開発したことが発表されました。

うつ病になると左前頭葉の活動が低下することがわかっていましたが、

この研究では薬剤抵抗性の6人のうつ病患者さんを対象として

左の前頭葉の活動を活性化する8分間のトレーニングを

1日1−3回、5日間にわたって行いました。

トレーニングの前後でBDIが平均で28から17に減少し、

4割の改善が見られたことがわかりました。

(論文はこちらから)