ビジネスパーソンのための心療内科

ビジネスパーソンのストレスの現状

厚生労働省が令和2年に行った「労働安全衛生調査」では、働いている方のうち約55%の方が「強いストレスを感じている」と回答しています。主な内容としては、「仕事の量・質」「仕事の失敗、責任の発生等」「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」などが上位に挙がっています。

一般的には長期間、上記のような強いストレスがかかると、心身の不調が生じてしまいます。 投薬治療で以前と同じ身体に回復しても、病気が発生した元の環境に戻れば、また同じことが繰り返されることが多く、薬だけで社会復帰し、仕事をし続けられるとは限りません。完全な職場復帰のためには、以前の自分とは違う対処方法を習得し、同じ環境に戻っても再発をしない状態にパワーアップしていることが必要なのです。

残念なことですが、うつ病から職場復帰した方の1年目で29%、2年で38%、5年で47%が、再休職していると報告されています(厚生労働省調査)。つまり、一度休職した方が将来、また休職をする状況になってしまう場合が多いというのが現実です。

適応障害とは

 日常生活の中で、なんかのストレスが原因となって心身のバランスが崩れて社会生活に支障が生じたもの、原因が明確でそれに対して過剰な反応が起こった状態を言います。


 日常生活の中で起こった出来事や環境に対してうまく対処できず、心身にさまざまな症状が現れて社会生活に支障をきたす状態をであり、ストレスの原因が明確であることが定義上重要です。(厚生労働省)

なぜ適応障害には薬が効かない?

適応障害はうつ病と違い、薬はあまり効かないと言われることが多いです。なぜ薬があまり効かないのでしょうか?

 私たちの症状というのは、「自分自身(内部環境)」と「周囲環境(外部環境)」の間で生じます。適応障害というのは、この困難な外部環境により反応性に症状が出ていることを定義とします。
 いわゆる症状に対して治療を行う薬は、睡眠を改善したり、ぼーっとする頭の症状をとったりすることには効果を発揮しますが、病気の本態は「自分自身」と「周囲環境」であり、これらを改善しなければ同じことの繰り返しになってしまい再発してしまいます。

例えばこのような症状はありませんか?

  • 少し仕事をしただけで疲れたように感じる
  • ふとしたことで涙が出るようになった
  • 思考力や集中力が低下し、仕事のミスが多くなった
  • ちょっとしたことでカチンときてしまい、仕事に支障が出ている
  • 本や資料が読めない、何度も同じところを読んでしまう
  • 頭がボーッとして思考が回らない感じがする
  • 身体がダルくて仕事を休んでしまった

適応障害についてより詳しく知りたい方はこちら

休職支援・復職支援

メンタル疾患からの復職するステップ

 メンタル疾患の場合、身体心身が疲弊している急性期の時期は、安静にし治療に専念しますが、復職や社会復帰に向けて心と体の“リハビリ”が必要になる時期がきます。リハビリを経ないで、「なんとなく元気になった。環境が変わった」など、感覚的な理由、環境変化による改善したような思いでは、いずれ再発するリスクを孕んでいます。休職は「自分の仕事の仕方、生き方を見直せ」という期間と捉え、どのように自己成長に役立てるか、それは休職した人の「思い」によって大きくその後が変わります。その際“社会に戻りたい意思”と闘病意欲は欠かせません。さらには“リハビリ”によって業務スキルや認知変容を習得しておかないと再発してしまうのです。世の中の病院やクリニックには、この“リハビリ”に精力的なところとそうでないところがあります。
 まずは休職し約1ヶ月程度経過した、あるいは状態が落ち着いてきた頃、休職期間が延びる傾向にないか、セフルチェックしみましょう。 

休職の長期化傾向セルフチェック

□ 昼夜逆転した生活を送っている
□ 復職や社会復帰について考えようとするが、焦りから着手できない
□ 仕事のことを考えると気分が悪くなるから、極力別のことをして過ごす
□ 寝られるようになることが回復の目安なので、服薬して日中もなるべく寝ている
□ 規則正しい時間に寝たり起きたりすると、かえって発熱・頭痛・めまい・下痢などを起こす
□ 復職診断書が出てから復職するまでの流れを把握していない

 1つでも該当すると、復職にはまだまだ遠い可能性があります。

復職が難しくなりやすい人チェック

 うつや高血圧になりやすい方がいるように、復職が難しくなりやすかったり、復職しても再休職になりやすかったりする方がいます。復職を社会復帰への“リハビリ”と捉えた場合、以下のような方はなかなか“治療”から“リハビリ”への切り替えがうまくいかず、復職するタイミングを失ってしまう傾向にあります。

□ 真面目で義理堅い
□ 対人関係上の摩擦を避ける傾向にある
□ 物事を一歩一歩着実に進めていきたがる
□ 一般的なこと・標準的なことから外れることが不安
□ 言われたことには忠実に行いたい
□ 少しでも人の怒っている雰囲気が苦手
□ 正しいことを知っている人についていきたい方である

復職支援についてはこちら

ベスリTMS横浜醫院の薬に頼らない治療選択

ベスリTMS横浜醫院では薬に頼らず復職・再発予防に向けて治療を行っています。一人一人の原因・症状によって治療内容は異なりますが、根本治療にご興味ある方はご連絡ください。