【医師監修】睡眠障害とは?不眠・夜中に目が覚める・日中の眠気の原因と治療|横浜の睡眠外来

この記事で分かること

この記事では、睡眠に関する以下の悩みについて解説します。

  • 睡眠障害・不眠症とはどのような状態なのか
  • 寝つけない、夜中に目が覚める原因
  • 日中の眠気や疲労、集中力低下と睡眠の関係
  • 睡眠障害にはどのような種類があるのか
  • 睡眠障害の検査・診断方法
  • 睡眠薬以外にはどのような治療があるのか
  • 当院の睡眠外来・睡眠トレーニングについて
  • 睡眠を改善することでどのような変化を目指すのか

睡眠障害とは?

睡眠障害とは、眠れない、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、眠っても休んだ感じがしない、日中に強い眠気があるなど、睡眠に問題が生じ、日中の生活にも影響している状態です。

睡眠の問題は、単純な睡眠時間の不足だけでなく、ストレスや生活リズム、身体の病気、精神的な不調、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな原因によって起こります。

厚生労働省も、睡眠不足や睡眠の問題は日中の眠気・疲労だけでなく、注意力や判断力の低下などにも関連するとしています。

そのため、「眠れない」という症状だけを見るのではなく、なぜ睡眠が乱れているのか、日中にどのような影響が出ているのかを確認することが大切です。


こんな睡眠の悩みはありませんか?

「眠れない」といっても、困りごとは人によって違います。

例えば、

  • 布団に入ってもなかなか眠れない
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝早く目が覚めて、その後眠れない
  • 朝起きてもすっきりしない
  • 十分寝たはずなのに疲れが取れない
  • 日中に眠気が強い
  • 仕事中に集中できない
  • 考えることや判断することに疲れる
  • 以前より仕事のミスが増えた
  • 休日に寝だめしてしまう
  • 「今日も眠れなかったらどうしよう」と考えてしまう
  • 夜になると眠ることが不安になる
  • 夜勤や交代勤務で生活リズムが乱れている

このような状態が続いている場合、一度睡眠について相談してみることをおすすめします。


睡眠障害・不眠のチェックリスト

以下の項目に当てはまるものはありますか?













チェックすると結果が表示されます。

※このチェックリストは睡眠障害の診断を行うものではありません。 症状が続く場合や日中の生活に支障がある場合は、医療機関への相談をご検討ください。


なぜ眠れなくなるのでしょうか?

睡眠の問題には、さまざまな原因があります。

ストレスや不安

仕事、人間関係、家庭のことなど、日中に強いストレスを感じていると、夜になっても頭が休まらず、眠りに入りにくくなることがあります。

「明日も仕事なのに眠れない」
「早く寝なければ」

と考えるほど、眠ること自体がプレッシャーになってしまうこともあります。

生活リズムの乱れ

夜更かし、休日の寝だめ、長時間の昼寝などによって、睡眠と覚醒のリズムが乱れることがあります。
また、夜勤や交代勤務など、仕事の都合で生活時間が一定しない場合にも睡眠の問題が起こりやすくなります。

スマートフォンやパソコンなどの使用

夜遅くまで仕事をしたり、寝る直前までスマートフォンを見たりすると、眠る準備が整いにくくなることがあります。
ただし、睡眠の問題を「スマートフォンのせい」だけで説明することはできません。
生活全体や睡眠に対する考え方なども含めて考える必要があります。

カフェイン・アルコールなど

夕方以降のカフェイン摂取や、寝酒の習慣が睡眠に影響することがあります。
特に「お酒を飲むと眠れる」と感じていても、睡眠の質に影響する場合があります。

身体的な病気や他の睡眠障害

睡眠の問題の背景に、

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • むずむず脚症候群
  • 慢性的な痛み
  • 頻尿
  • 呼吸器疾患
  • その他の身体疾患

などが隠れていることがあります。
そのため、単純に「不眠症」と決めつけず、原因を確認することが重要です。


睡眠障害にはどのような症状がありますか?

睡眠障害は「眠れない」だけではありません。

夜間の症状

  • 寝つきが悪い
  • 夜中に目が覚める
  • 朝早く目が覚める
  • 眠りが浅い
  • 何度も時計を確認してしまう
  • 眠ろうとすると緊張してしまう

朝・日中の症状

  • 朝起きるのがつらい
  • 起きても疲れが取れていない
  • 日中に眠い
  • 集中力が低下する
  • 判断力が落ちたように感じる
  • 仕事のミスが増える
  • 疲れやすい
  • イライラしやすい
  • 気分が落ち込みやすい

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠不足は日中の眠気や疲労、注意力・判断力の低下などと関連するとされています。


睡眠障害にはどのような種類がありますか?

睡眠に関する問題には、さまざまな種類があります。

睡眠の問題主な特徴考えられる背景
不眠症寝つけない、途中で目覚める、早朝に目覚めるストレス、生活リズム、心理的要因など
睡眠不足必要な睡眠時間を確保できない長時間労働、育児、夜更かしなど
睡眠時無呼吸症候群いびき、呼吸停止、日中の眠気など睡眠中の呼吸障害
概日リズム睡眠・覚醒障害寝る時間・起きる時間がずれる夜勤、不規則な生活など
むずむず脚症候群脚の不快感で眠れない鉄欠乏などが関係する場合もある
過眠症十分な睡眠を取っても強い眠気がある中枢性過眠症など

「眠れない」という症状だけでは、原因や病態を一つに決めることはできません。


睡眠障害はどのように診断しますか?

まずは診察で、睡眠について詳しくお話を伺います。

STEP1 問診

  • いつから眠れなくなったのか
  • 寝つきが悪いのか
  • 夜中に目が覚めるのか
  • 朝早く目が覚めるのか
  • 何時間くらい眠っているのか
  • 日中に眠気があるか
  • 仕事や生活にどのような影響があるか
  • ストレスや生活環境
  • 服薬状況

などを確認します。

STEP2 睡眠状態の確認

必要に応じて睡眠日誌などを使用し、実際の睡眠パターンを確認します。
当院の睡眠トレーニングでも、睡眠記録をもとにカウンセリングを行っています。

STEP3 必要に応じて検査

いびきや睡眠中の呼吸停止、強い日中の眠気などがある場合には、睡眠時無呼吸症候群など他の睡眠障害について検査を検討します。


睡眠障害はどのように治療しますか?

睡眠障害の治療は、原因や症状によって異なります。

生活習慣の見直し

起床時間、睡眠時間、日中の活動、光の浴び方、昼寝、カフェインなど、睡眠に関係する生活習慣を確認します。
ただし、慢性的な不眠症では、単純な「睡眠衛生」だけで改善を目指すのではなく、認知行動療法などを含めた治療が重要です。
AASM(米国睡眠医学会)は、成人の慢性不眠症に対して、複数の要素を組み合わせた不眠症認知行動療法(CBT-I)を強く推奨しています。

睡眠カウンセリング・睡眠トレーニング

睡眠に関する生活習慣や行動を見直し、自分自身で睡眠リズムを整えていく方法です。

薬物療法

症状に応じて睡眠薬を使用する場合があります。
睡眠薬にはさまざまな種類があるため、作用時間、副作用、依存性などを考慮して選択します。

「できれば薬を使いたくない」
「今飲んでいる睡眠薬を減らしたい」

という希望がある場合には、その希望も含めて治療方法を検討します。


当院ではどのような睡眠治療を行っていますか?

当院では、「睡眠薬を飲む・飲まない」の二択ではなく、その方の状態や希望に合わせて治療方法を選択することを大切にしています。

現在の当院では、

  • 睡眠カウンセリング・睡眠トレーニング
  • 生活習慣の見直し
  • 漢方薬
  • 鍼灸
  • 必要に応じた睡眠薬

などの選択肢があります。

「病院に行ったら睡眠薬を処方されるのでは?」

と不安に感じている方も、まずはご相談ください。


当院の睡眠トレーニングとは?

当院では、自分自身の睡眠を記録しながら、生活に合わせて睡眠リズムを整えていく睡眠トレーニングを行っています。
睡眠パターンを確認しながら、最短1.5か月程度で3回の睡眠カウンセリングを行います。

例えば、

  • 起床時間
  • 就寝時間
  • 日中の活動
  • 昼寝
  • ベッドでの過ごし方
  • 就寝前の習慣
  • 仕事の時間
  • 夜勤などの勤務形態

などを確認します。

単に「早く寝ましょう」と指導するのではなく、その方の生活の中で無理なく続けられる方法を一緒に考えることを重視しています。

当院では、睡眠トレーニングによって自分で睡眠リズムを整える力を身につけ、薬に頼りすぎない睡眠を目指します。


当院は「女性に『も』優しい」睡眠外来です

当院の睡眠外来は、男性・女性を問わず、睡眠の悩みを抱えている方を対象としています。

そのうえで、女性の場合には、

  • 月経周期による睡眠の変化
  • 生理前の心身の変化
  • 妊娠・出産
  • 更年期
  • ホルモン変化

などが睡眠に影響していることがあります。
こうした背景についても必要に応じて確認しながら、治療方法を考えていきます。
「女性専用の睡眠外来」ではなく、男性にも女性にも、その人の生活背景や身体の状態に合わせて治療を考える睡眠外来。
それが当院の考える「女性に『も』優しい睡眠外来」です。


睡眠の改善によって、どのような変化を目指しますか?

睡眠治療の目的は、単純に「毎日○時間眠ること」だけではありません。

現在のお悩み目指す変化
布団に入っても眠れない自然に眠りにつきやすくなる
夜中に何度も目が覚める途中で目覚めることが少なくなる
朝起きても疲れている睡眠による休養感を得やすくなる
日中に眠くて集中できない日中の集中力・活動性を取り戻す
「また眠れない」と不安になる睡眠に対する不安が軽くなる
睡眠薬を飲み続けることが心配自分の睡眠を整える方法を身につける
生活リズムが乱れている自分に合った生活リズムをつくる
仕事や夜勤で睡眠が不規則自分の勤務形態に合わせた睡眠対策を考える

「眠れないこと」に振り回されず、日中の生活をより楽に送れることを目指します。


このような方は睡眠外来にご相談ください

  • なかなか眠れない状態が続いている
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝早く目が覚めてしまう
  • 朝起きても疲れが取れない
  • 日中の眠気が強い
  • 集中力が低下している
  • 仕事のパフォーマンスが落ちている
  • 睡眠について考えすぎてしまう
  • 生活リズムが乱れている
  • 夜勤・交代勤務で睡眠に困っている
  • 睡眠薬を使うことに抵抗がある
  • 睡眠薬を減らしたい
  • 薬に頼らず睡眠を改善したい
  • 生理前など特定の時期に睡眠が乱れる
  • 更年期になってから眠れなくなった
  • いびきや睡眠中の呼吸が気になる
  • 一度、自分の睡眠について専門家に相談したい

睡眠外来・睡眠トレーニング・睡眠時無呼吸の検査はどう違いますか?

睡眠外来睡眠トレーニング睡眠時無呼吸の検査
主な目的睡眠の悩み全般を相談睡眠リズム・生活習慣を整える睡眠中の呼吸障害を調べる
主な対象不眠、日中の眠気など自分で睡眠を整えたい方いびき、無呼吸、強い眠気など
方法診察・必要に応じて検査・治療睡眠記録+カウンセリング睡眠検査
必要に応じて使用薬に頼らない方法を中心に検討必要に応じてCPAPなど
女性への対応月経・更年期なども必要に応じて確認生活リズムとの関係を確認女性でもSASの可能性を確認

「眠れない」という症状だけでは、原因を判断できないことがあります。
症状に応じて、必要な検査や治療を選択することが大切です。


当院での治療ケース


FAQ|睡眠障害・不眠についてよくある質問

Q. 睡眠時間は何時間取ればよいですか?

必要な睡眠時間には個人差があります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人はおおよそ6~8時間を目安とし、少なくとも6時間以上の睡眠時間を確保することが推奨されています。ただし、時間だけでなく「睡眠休養感」も重要です。

Q. 眠れないだけでも睡眠外来を受診してよいですか?

はい。眠れない、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めるなどの症状が続いている場合はご相談ください。

Q. 睡眠外来に行くと必ず睡眠薬を処方されますか?

必ずしも睡眠薬が必要になるわけではありません。当院では睡眠トレーニング、漢方、鍼灸など、睡眠薬以外の選択肢も含めて治療方法を検討しています。

Q. 睡眠薬を使わずに不眠を改善できますか?

不眠の原因や状態によりますが、薬を使わない治療方法があります。慢性不眠症ではCBT-Iなどの心理・行動的治療が推奨されています。

Q. 日中の眠気だけでも相談できますか?

はい。日中の強い眠気は、睡眠不足だけでなく睡眠の質の低下や睡眠時無呼吸症候群などが関係している場合があります。

Q. 夜勤をしているのですが、睡眠外来を受診できますか?

はい。交代勤務や夜勤によって睡眠リズムが乱れている方もご相談いただけます。当院の睡眠トレーニングでは、勤務形態を含めて生活に合わせた睡眠リズムを考えていきます。

Q. 女性ですが、生理前になると眠れません。

月経周期に伴って睡眠が変化することがあります。当院では睡眠だけでなく、月経周期との関係なども必要に応じて確認しながら治療を検討します。

Q. いびきがなくても睡眠時無呼吸症候群の可能性はありますか?

あります。睡眠時無呼吸症候群では、いびきだけでなく日中の眠気や睡眠休養感の低下などがみられることがあります。気になる症状がある場合は検査を検討します。


エビデンス・参考文献

1.厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

睡眠時間だけでなく、睡眠休養感、日中の眠気、注意力・判断力など、睡眠と心身の健康との関係についてまとめられています。

2.厚生労働省「睡眠チェックシート」

「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に基づき、睡眠時間や睡眠休養感などを記録するためのチェックシートが公開されています。

3.American Academy of Sleep Medicine(AASM)

成人の慢性不眠症に対して、複数の要素を組み合わせた不眠症認知行動療法(CBT-I)を強く推奨しています。

Edinger JD, et al. Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. J Clin Sleep Med. 2021;17(2):255-262.


この記事のポイント

  • 睡眠障害とは、眠れない、途中で目が覚める、早朝に目覚める、日中に強い眠気があるなど、睡眠の問題によって日中の生活にも影響が出ている状態です。
  • 睡眠障害の原因には、ストレス、生活リズム、身体疾患、精神的な不調、睡眠時無呼吸症候群などさまざまなものがあります。
  • 睡眠の問題は、日中の眠気や疲労、集中力・判断力の低下などにつながることがあります。
  • 「眠れない=不眠症」とは限らず、原因を確認することが大切です。
  • 慢性的な不眠症では、睡眠薬だけでなくCBT-Iなどの心理・行動的治療も重要です。
  • 当院では、睡眠トレーニング、カウンセリング、漢方、鍼灸、必要に応じた睡眠薬など、複数の治療選択肢を用意しています。
  • 男性・女性を問わず、一人ひとりの生活や身体の状態に合わせた睡眠治療を行い、女性特有の月経周期や更年期などにも必要に応じて配慮しています。

「眠れないのは自分のせい」と思わなくても大丈夫です

「明日は仕事だから、ちゃんと寝ないと」

「また今日も眠れなかった」

「こんなに眠れない自分はおかしいのでは?」

そんなふうに、眠れないことそのものがストレスになってしまうことがあります。

また、

「仕事が忙しいから仕方ない」

「年齢のせいだろう」

「子育て中だから眠れなくて当然」

と、つらさを我慢している方もいるかもしれません。

でも、睡眠の悩みを一人で抱え続ける必要はありません。

睡眠には、生活リズム、仕事、ストレス、身体の状態など、さまざまなものが関係しています。

原因を一つずつ整理し、自分に合った方法を見つけることで、睡眠との付き合い方が変わっていくことがあります。

当院では、最初から「睡眠薬を飲む」という一つの方法に決めるのではなく、睡眠トレーニングやカウンセリング、漢方、鍼灸、必要に応じた睡眠薬など、状態や希望に合わせて治療方法を一緒に考えています。

「最近、眠りがおかしいかもしれない」

「日中の眠気や疲れがつらい」

「できれば薬に頼らず睡眠を整えたい」

そんなときは、まずお気軽にご相談ください。

ベスリグループ医師、保健師、作業療法士による著書

監修

田中 遥/ 医療法人社団ベスリ会 ベスリ会理事長

専門:心療内科/睡眠障害内科

プロフィールを見る →
実績
17,000人超
働くビジネスパーソンの心の診療実績
5,000症例以上
TMS治療(薬に頼らないうつ治療)の実績
20冊弱
医師による著書・監修書籍(睡眠・脳科学・発達障害ほか)
20件以上
テレビ・新聞・Web・専門誌などへの出演・掲載・講演