― 働き続けるか、立ち止まるか。その判断をひとりで抱えないで ―
「出社が怖い。誰にも言えないまま限界を越えてるかも」
「毎日がつらいのに、“大丈夫とみせる努力”ばかりしてる」
「でも、本当に自分は休職していいのか…迷っている」
そんなふうに限界を感じながら、今日も何とか出勤している方へ。
まずは“いまの自分の状態”を、医師と一緒に確認してみませんか。
その一歩が、社会復帰までの道のりを照らします。
「診断書がほしい」その気持ちが、相談のきっかけでかまいません
- 会社に提出する診断書が急ぎで必要
- 働けるかどうかの判断を医師にしてほしい
- 自分の症状や状態をうまく説明できない
- とにかく、まず話を聞いてほしい
▶ 当院では、初診時の診察結果に応じて即日の診断書発行も対応可能です(※医師の判断による)
▶ 診断書の提出先(会社・保険など)に合わせた書式もご案内します
■当院では、社会復帰を見据えた休職サポートを行っています。
体や心が限界に近づいたとき、休むことは逃げではなく適切な医療判断による選択です。
当院では、単なる「休職」ではなく、その先の「社会復帰」までを視野に入れてサポートします。
- 医師の診断と休職判断
- 治療の継続と生活リズムのリハビリ
- 復職のタイミングの見極めと診断書の再発行
- 傷病手当金や自立支援医療制度のサポート
「少しよくなったからもう大丈夫」と復帰しても、再発しやすい時期があります。
安心して社会に戻るために、医師と一緒にペースを整えていきましょう。
■ よくある質問
1.休職するか迷っています。相談だけでもできますか?
もちろん可能です。心身に強い負担を感じているとき、休職は重要な選択肢の一つです。当院では、これまで多くの方の休職・復職支援を行ってきました。メリット・デメリットを含め、医師と一緒に今後の方針を考えていきましょう。
2.診断書が必要と言われました。書いてもらえますか?
はい、対応可能です。目的(会社提出・保険申請など)や宛先、記載内容のご希望を伺った上で作成いたします。内容によっては即日発行できない場合もありますので、ご了承ください。
3.休職用の診断書を書いてもらえますか?
可能です。医師による診察のうえ、医学的に必要と判断された場合に診断書を発行いたします。あわせて、休職中の過ごし方や復職プランなどもサポートいたします。
4.傷病手当金の申請書を書いてもらえますか?
はい、対応しております。傷病手当金制度を活用することで、給与のおよそ3分の2が支給されるケースが多く、休職中の経済的負担を軽減することができます。
5.休職中の過ごし方についても教えてもらえますか?
はい。休職中の時間は、心身の回復と再発予防のための大切な期間です。当院では「ただ休む」のではなく、復職や転職などの社会復帰に向けてのリズムづくりも含めて丁寧にご提案しています。
6.会社の人と一緒に来院しても大丈夫ですか?
事前にご相談いただければ可能です。人事・総務担当の方との面談には、別途時間の確保と料金が必要になります。当日いきなりの同伴では対応が難しいため、必ず事前にご連絡ください。
7.休職せずに治療を続けることはできますか?
はい、可能です。当院の医師は全員が産業医資格を有しており、働きながら治療を継続されている方も多くいらっしゃいます。ただし、心身の状態によっては休職を含む治療が必要な場合もありますので、まずはご相談ください。
8.自立支援医療制度について教えてもらえますか?
はい。うつ病や不安障害などの治療に対する医療費を軽減できる制度です。申請には医師の診断書が必要となりますが、当院で申請サポートを行っています。条件により自己負担が1割以下になることもあります。
9.診断書や申請書類は郵送で受け取れますか?
原則として、診断書や公的書類の郵送対応は行っておりません。ご本人の受け取りをお願いしておりますが、どうしても難しい場合はご相談ください(※別途手数料が発生する場合があります)。
10.再診時にも診断書の更新や復職判断をしてもらえますか?
もちろん可能です。休職が長期にわたる場合、状況に応じて診断書の内容更新が必要になることがあります。復職の可否判断も医師が診察を通じて行いますので、安心してご相談ください。
復職・社会復帰達成された方のケース紹介
当院で治療をされた中で、復職された方のケースを5つご紹介致します。
▼①思考がまとまらず休職・4か月で復職(50代・IT企業勤務)
50代男性。IT企業に勤務されており、業務中に「思考が途中で止まる」「作業効率が著しく低下する」といった状態が続いていました。
全身のだるさ、不眠、しゃっくりが止まらないなどの身体症状も併発し、産業医面談を経て当院を受診されました。診察では中等度のうつ状態と判断し、rTMS(経頭蓋磁気刺激法)を中心とした治療を開始。
脳疲労の改善により、要領を得ない受け答えや不安による過剰な質問も徐々に減少しました。
併せて、仕事に対する過度な恐怖や思い込みに働きかける認知行動療法的アプローチを取り入れ、仕事との向き合い方や、成果に縛られすぎない働き方を一緒に再構築していきました。本人は、不安の高まりから喋りすぎたり逆に無言になったりする自分の傾向にも気づき、改善に向けた具体的な対処法を身につけていきました。
復職直前にはリワークプログラムに参加し、生活リズムの安定や対人関係のリハビリを重ねながら現実的な復職準備を行いました。途中で発熱・頭痛による欠席もありましたが、支援チームと連携しながら意欲を保ち、初診から約4カ月で無理のない形で職場復帰を果たされました。
当院では「一時的な回復」ではなく、「働き続けられる再発予防」までを見据えた支援を大切にしています。
▼②何度も休職と復職を繰り返す(30代・事業所勤務)
30代男性、事業所勤務。
過去にも過労による休職者が多数出ていた部署に異動後、極度の業務負荷によって休職されました。ご家庭では妻と2人の子どもとの4人暮らしでしたが、休職中の家事分担をめぐって夫婦関係が悪化。復職後も家庭内の不和が続き、仕事と私生活の両面からストレスを受け、再休職を繰り返しておられました。
当院には、再休職されたタイミングでご相談に来られました。
治療の第一段階では、家族関係の再構築を目指し、カウンセリングを通してコミュニケーションの振り返りと行動の変容に取り組みました。ご本人の変化により家庭環境が安定し、家族とともに復職に向き合える土台が築かれていきました。
次のステップでは、同じ職場で再び倒れないために、仕事との向き合い方や職場内での適切な距離感について心理的サポートを行いました。上司との関係や自身の役割の捉え方を整理し、これまで無意識に無理をしてしまっていた背景にも気づかれました。
以前に他院でリワークプログラムを経験済みでしたが、当時は内容が自身の実生活に結びつかず、行動変容に至らなかったとのこと。当院では復職を単なる「出勤再開」ではなく、「再発しない働き方の再構築」と位置づけ、段階的な支援を実施。初診から8カ月後、安定した復職を果たされ、現在も再休職することなく就業を継続されています。
▼③30代男性 営業 会議中に頭が真っ白になる
30代男性。第二新卒として転職後、半年が経過した頃、営業会議で上司から責められるような発言を受け、突然頭が真っ白になり言葉が出なくなるという体験をされました。その後も業務に集中できず、不安や疲労感が強まったため、心配した上司の勧めで当院を受診。軽度のうつ状態と診断し、治療を開始しました。
会議中に起きた「思考停止」や「無反応」の状態は、自律神経の防御反応(いわゆる“フリーズ反応”)によるものであると推察されました。そのためまずは、自律神経を整えるための生活リズム・睡眠・食事・運動面の指導を行いました。
さらに、症状の背景には前職での厳しい経験や、幼少期からの親子関係などがトラウマ的な記憶として影響している可能性があったため、タッピングセラピー(EFT)を併用。セッション直後は感情の揺れによる消耗も見られましたが、数回の実施で不安定さが軽減し、自分の感情と距離を取る力が身につき始めました。
初診から2カ月後には気力や意欲が戻り、復職可能な状態に。もともと独立を希望されていたため、退職を選択し、独立に向けての準備に自然な形で移行されました。活動が安定し、気持ちの高まりも維持されていたため、治療はここで終了となりました。
▼④30代男性 上司との関係性になやみ休職
30代男性。運送業。初診時は中等度のうつ状態。
1年前に転職し、先輩社員が指導についたものの、別室での長時間に及ぶ叱責、きつい口調で責め立てられる、「もの覚えが悪い」「バカ」といった悪態をつかれることが続いたため、中途覚醒、その後の入眠困難等の睡眠障害を引き起こしました。
休職せずに済むのならしたくないと話されていましたが、業務に対して自信を喪失しており、日中や休日もぼーっとし仕事にならない様子が伺われたため、休職となりました。
待合室でも張り詰めた様子で緊張が強く、スタッフの案内もあまり頭に入っていないような状態でした。
3回の睡眠衛生指導を行い、睡眠導入剤を服用しなくても眠れる状態にまで回復しました。その後、認知行動療法の一つである行動活性化療法を行い、不安や焦りのときでもメタ認知できるように行動変容に取り組んでいきました。仕事での表情や態度、どのような話題から話すと伝わりやすいかなどコミュニケーションなどビジネス上のスキルupを重ねていきました。
その後、リワークプログラムに参加。通勤のための生活習慣の確立、及び集団の中で自己表現をするアサーション等を学び徐々に自分らしさを取り戻していかれ、初診後7カ月で治療終了されました。
▼⑤異動や退職者で業務量負荷 転職で社会復帰(20代・福祉職)
20代女性。福祉施設に新卒で入職。配属1年目にもかかわらず、立て続けにスタッフが異動し、上司と2人で現場を回さざるを得ない状況に。
次第に眠れなくなる、朝起きられない、遅刻が増えるといった症状が現れ、業務に支障が出始めました。「新人なのにうまくできていないのでは」という漠然とした不安にも悩まされており、当院を受診。中等度のうつ状態と診断し、治療を開始しました。
カウンセリングではまず傾聴を中心に、仕事や職場環境で抱えていた気持ちの整理と、気分の安定化を進めました。その矢先、頼りにしていた上司が先に退職することが決まり、本人も心身の限界を感じて休職に入ることとなりました。
休職後は過眠傾向が強く、昼夜逆転しかけていたため、睡眠衛生指導を実施。日中に短時間でも活動を取り入れ、生活にメリハリをつける習慣づけを行いました。気力が少しずつ戻ってきた頃から、ご本人は自分の働き方や価値観を見つめ直し、転職活動を開始。3カ月後には新しい職場が決まり、再就職を果たされました。
再就職後も、「自分を責めすぎない」「完璧であろうとしない」といった視点を持ちながら、ビジネススキルと考え方の軸を育てるメンタルトレーニングを継続。現在も安定して勤務を継続されています。
家族・周囲の人ができること
― 支えたい気持ちを“ちょうどよく”届けるために ―
うつ病や不安障害など、メンタルの不調を抱える方が身近にいると、「どう接したらいいのか分からない」「気を使ったつもりが逆効果になるのでは」と不安を感じるご家族やパートナーの方も少なくありません。
しかし、最も避けたいのは、支える側が疲れ切ってしまうことです。まずはご自身が心の安定を保ち、適度な気晴らしや楽しみを取り入れることを大切にしてください。
そのうえで、以下の2つの視点を意識して関わっていただくと、ご本人の回復にとっても良い支えになります。
① 生活環境のサポート
メンタル不調のある方は、心身のエネルギーが著しく低下しているため、日常的な家事や食事の準備すら難しくなることがあります。そのまま環境が荒れてしまうと、回復のきっかけをつかむことさえ難しくなります。
無理のない範囲で、部屋の整理や食事の用意などをサポートし、「身の回りが整っている」感覚を維持できるよう手を差し伸べてください。
② 不調時の対応
急な悪化や体調の変化に気づいたときは、気の利いた言葉より、冷静な対応が重要です。救急車の手配や主治医への連絡など、必要な行動を速やかにとれるだけでも、ご本人にとって大きな安心になります。
そばにいてくれる人が“安全な存在”であることが、回復への土台になります。
「支えること」には正解がありません。
あなたが無理をせず、ご本人のそばに“いてくれる”だけで、十分に意味があります。
困ったときは、どうかご家族も一人で抱え込まず、医療機関や支援機関にご相談ください。