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コロナ後遺症とその原因の「脳の慢性炎症」

 落ち着きかけたコロナ感染が、新株オミクロンが再流行が懸念されている令和3年12月3日の日経新聞で「コロナ後遺症数十万人か?」の記事がでました。

 コロナ感染後遺症による、疲労感、抑うつ、ブレインフォグ(脳霧)などの症状に多くの人が悩んでいると、コロナ後遺症の症状は記されているが、その原因については言及されていません。

 私達ベスリは、コロナ後遺症は、一般のうつ病と同じで脳内の炎症が原因として治療しています。

 うつ病に抗うつ薬が効果が無いないのと同じで、コロナ後遺症、特にうつ症状、疲労感の治療には抗うつ薬が効果はありません。

 治療は脳内炎症なのでSSRIなどの抗うつ薬は効果が無い、また炎症と言っても一般的な抗炎症剤は効果がないし、当然脳内はBBB(脳血管関門に)守られており各種の治療法は無効です。

まずは原因について

コロナ後遺症は、うつ病の原因と同じでいろいろな理由が考えられます。

  • 運動不足説:在宅勤務が増え通勤が減ったこと、そもそもコロナで外出できないので、一日の運動量が減った為に、運動すると筋肉から出てくるBDNF(脳神経成長因子)が減って、脳神経細胞の新生が少なくなった。
  • セロトニン不足説:外出がすくなく、光を浴びるのが少なくなったために、メラトニンからセロトニンへの神経伝達物質が減ってしまった。
  • 扁桃体抑制解除説:人間は、哺乳類は社会的生物なので、対人コミュニケ―ションが少なくなると、大脳皮質の活動が低下して、抑うつを起こす扁桃体の活動が過活動なって、うつ・不安などの感情障害が起こる。

    その他いろいろな仮説があります。

 

 さて私達ベスリクリニックは、海外特にイギリスからの大きな流れである、うつ病「脳の慢性炎症仮説」で治療を行っています。

 具体的な治療は世界のうつ病の治療と同じで、生活習慣改善や薬物療法、抗炎症サプリメント、そして世界は一般的に使われているTMS(経頭蓋磁気刺激療法)です。

 ご存じの方も多いと思いますが、海外では【重症うつ病】しか、抗うつ薬は使わない(医師からは処方できない、使えない)のです。

 抗うつ薬は、うつ病がセロトニンの不足から起こっているというセロトニン仮説から創られています。

 ところが2000年前後から、抗うつ薬が、プラセボー(偽薬)と効果が変わらない論文が多数出てきました。

 抗うつ薬がうつ病に効果が無いのであれば、セロトニン仮説は終焉します。そこで別のうつ病仮説が必要となっています。

 その有力な原因説が、脳の慢性炎症説として研究が進んいるのです。

(続く)