キャリアカウンセリングとは?仕事の悩み・働き方・将来の不安を整理する方法を医師が解説

「今の仕事をこのまま続けていいのかな」

「転職した方がいいのかもしれない。でも、本当に転職していいのか分からない」

「仕事はできている。でも、なぜかやりがいを感じられない」

「自分が本当にやりたいことが分からない」

「周囲は順調にキャリアを積んでいるように見えるのに、自分だけ取り残されている気がする」

このように、仕事や将来について悩んでいても、何から考えればよいのか分からないことがあります。
キャリアについての悩みは、「転職するか、しないか」だけで解決できるものではありません。
これまでどのような経験をしてきたのか、自分は何を大切にしたいのか、どのような働き方や生き方を望んでいるのかを整理することで、これからの選択肢が見えてくることがあります。
当院では、仕事だけに限定せず、これまでの人生や経験を振り返りながら、「自分らしい働き方・生き方」を一緒に考えていくキャリアカウンセリング(キャリアデザイン外来)を行っています。


この記事で分かること

  • キャリアカウンセリングとは何か
  • どのような悩みがある方に向いているのか
  • なぜ仕事や将来について迷ってしまうのか
  • キャリアカウンセリングでは何をするのか
  • 転職・就職だけがキャリアのゴールではない理由
  • 当院のキャリアデザイン外来ではどのような支援を行っているのか
  • キャリアカウンセリングによってどのような変化を目指すのか

キャリアカウンセリングとは?

キャリアカウンセリングとは、仕事や転職だけではなく、これまでの経験や価値観を整理し、自分らしい働き方やこれからの生き方を一緒に考えていくためのカウンセリングです。

キャリアコンサルティングは、職業の選択、職業生活の設計、職業能力の開発・向上などについて相談し、助言や支援を行うものとされています。

一方で、当院のキャリアデザイン外来では、単に「自分に向いている仕事を探す」ことだけを目的としません。
これまでの人生を振り返り、自分が大切にしている価値観や強みを整理しながら、「これからどのように働き、どのように生きたいのか」を考えていきます。

その結果として、転職や復職、現在の職場での働き方を見直すなど、具体的な行動につながっていくことがあります。


こんなことでお悩みではありませんか?

キャリアについて悩んでいても、「まだ転職するつもりはないから相談してはいけない」「こんなことで相談するのは大げさかもしれない」と感じる方もいます。

しかし、キャリアカウンセリングは、転職を決めている方だけのものではありません。

  • 今の仕事をこのまま続けていいのか迷っている
  • 転職したい気持ちはあるが、一歩踏み出せない
  • 自分が本当にやりたい仕事が分からない
  • 自分に向いている仕事が分からない
  • 仕事はできているが、やりがいや意味を感じられない
  • 周囲と比べて自分のキャリアに焦りを感じる
  • 将来について漠然とした不安がある
  • 自分の強みや価値観を整理したい
  • 復職後の働き方について悩んでいる
  • 転職するか、今の会社に残るか決められない

キャリアについてこのようなお悩みはありませんか?


キャリアカウンセリングが向いているかチェックしてみましょう

以下の項目に当てはまるものはありますか?













チェックすると結果が表示されます。

なぜ仕事やキャリアについて迷ってしまうのでしょうか?

仕事や将来についての悩みは、単純に「向いている仕事が分からない」という問題だけではありません。
これまでの経験や周囲からの期待、自分自身の価値観など、さまざまな要素が重なって「どうしたらいいのか分からない」という状態になることがあります。

自分の価値観が整理できていない

「安定した仕事がいい」「やりがいのある仕事がしたい」「収入を上げたい」「家族との時間を大切にしたい」など、人によって仕事に求めるものは異なります。
しかし、忙しい毎日の中では、自分が本当に大切にしたいことを考える機会が少なくなりがちです。

周囲の期待を優先してしまう

「親が望んでいる仕事だから」「周囲から評価されるから」「せっかくここまで続けてきたから」といった理由で、自分の気持ちよりも周囲の期待を優先してしまうことがあります。
その結果、仕事は続けられていても、「自分は本当にこれを望んでいるのだろうか」と感じることがあります。

過去の経験から選択肢を狭めてしまう

過去の失敗や苦手な経験から、「自分には無理」「どうせうまくいかない」と考えてしまうことがあります。
一方で、これまでの経験の中には、自分では気づいていない強みや得意なことが含まれている場合もあります。

心身の余裕がなくなっている

仕事上のストレスや心身の不調が続いていると、将来のことを考える余裕がなくなり、「今の仕事を辞めるべきか」「このまま続けるべきか」といった判断そのものが難しくなることがあります。
そのような場合には、キャリアだけでなく、現在の心身の状態も含めて整理することが大切です。


キャリアカウンセリングでは何をするのでしょうか?

キャリアカウンセリングでは、最初から「転職する」「今の会社に残る」といった結論を決めるわけではありません。
まずは、現在の悩みやこれまでの経験を整理し、自分自身について理解を深めていきます。

これまでの人生や仕事を振り返る

学生時代から現在までの経験を振り返り、「どのような場面で充実感を感じたのか」「何が苦手だったのか」「どのような環境では力を発揮できたのか」などを整理します。

自分の価値観や強みを整理する

仕事だけではなく、人生の中で何を大切にしたいのかを考えます。
また、本人にとっては当たり前になっている経験や能力の中から、自分自身の強みを整理していきます。

「これからどうなりたいか」を考える

現在の仕事をどうするかだけではなく、5年後など少し先の未来をイメージし、「どのような自分でいたいのか」を考えていきます。

理想に向けた小さな一歩を考える

未来の方向性が見えてきたら、いきなり大きな決断をするのではなく、今できる小さな行動を考えます。
それが情報収集であったり、資格について調べることであったり、現在の職場で働き方を変えてみることであったり、人によって異なります。


キャリアカウンセリングは転職のためだけのものではありません

「キャリアカウンセリング=転職相談」と考える方もいますが、必ずしも転職がゴールになるわけではありません。

今の会社に残るという選択も、自分自身について整理した上で納得して選ぶことができれば、大切なキャリア選択の一つです。

また、復職後にどのような働き方をしていくのか、現在の仕事を続けながらどのようなスキルを身につけるのかなども、キャリアについて考える重要なテーマです。


キャリアカウンセリングと他の支援にはどのような違いがありますか?

項目キャリアカウンセリング転職エージェント医療機関での診察
主な目的働き方・生き方を整理する就職・転職を支援する心身の状態を評価・治療する
転職選択肢の一つ主要な目的必要に応じて相談
価値観の整理重視する求人選択に必要な範囲必要に応じて行う
過去の振り返り重視する限定的診療に必要な範囲
5年後などの将来像一緒に考える転職先を中心に検討必要に応じて相談

当院のキャリアデザイン外来では何を大切にしていますか?

当院のキャリアデザイン外来では、職探しだけを目的とせず、これまでの人生を振り返りながら、自分らしい生き方や人とのつながり方、仕事との関わり方などを整理していきます。

カウンセリングの基本的な理論や手法をベースに、キャリアコンサルティングや就職・転職に関する知識などを組み合わせて支援を行っています。

特に大切にしているのが、「5年後の理想的な自分」をイメージすることです。

「今の仕事をどうするか」だけを考えると、選択肢が狭くなってしまうことがあります。

一度、少し先の未来に目を向けて、「どのような生活を送りたいのか」「どのように働きたいのか」「どのような人間関係を築きたいのか」を考えることで、現在の悩みに対する新しい見方が生まれることがあります。

そこから、理想に近づくための小さな一歩を一緒に考えていきます。


当院ではどのような方がキャリアデザイン外来を利用していますか?

当院では、心身の不調をきっかけに受診した後、回復してきた段階で「これからどのように働いていこうか」「復職するか転職するか」「今後のキャリアをどう考えればよいか」と悩んでいる方が利用されるケースがあります。

一方で、必ずしも転職先が決まっている必要はありません。

「今後について考えたいけれど、まだ方向性が決まっていない」という段階から、一緒に整理していくことができます。


キャリアデザイン外来ではどのような流れで進めますか?

Step1:初診

まず診察を受けていただき、キャリアについて不安を感じている状況や、現在困っていることについてお話を伺います。
必要に応じて心理検査などを行い、心身の状態について確認することもあります。

Step2:キャリアデザイン外来

診察にて実施可能と判断された場合、キャリアデザイン外来をご案内します。
キャリアデザイン外来は事前予約制です。

Step3:診察

カウンセリングを通して現在の困りごとが整理できたか、ほかの支援やアプローチが必要かなどについて、診察で一緒に確認していきます。


キャリアカウンセリングによって、どのような変化を目指しますか?

BeforeAfter
今の仕事を続けていいのか分からない自分が大切にしたい価値観を整理できる
転職するか迷い続ける自分なりの判断軸を持てる
自分の強みが分からないこれまでの経験や強みを整理できる
将来が漠然と不安自分が目指したい未来を具体的に考えられる
何から始めればいいか分からない理想に向けた小さな一歩を考えられる
周囲の期待に合わせてしまう自分の本音や価値観に近い選択を考えられる

どのような方にキャリアカウンセリングが向いていますか?

キャリアカウンセリングは、転職を決めている方だけではなく、仕事や将来について「このままでいいのだろうか」と感じている方にも向いています。

  • 今の仕事を続けるか迷っている方
  • 転職・就職について考えている方
  • まだ転職するか決めていない方
  • 自分の強みや価値観を整理したい方
  • 将来の働き方を考えたい方
  • 復職後のキャリアについて考えたい方
  • 仕事を通じてどのような人生を送りたいのか考えたい方
  • 心身の不調から回復し、これからの働き方を考えたい方

キャリアカウンセリングについてよくある質問

Q. キャリアカウンセリングは転職したい人だけが受けるものですか?

いいえ。
転職はキャリアカウンセリングで考える選択肢の一つです。
現在の仕事を続けるのか、働き方を変えるのか、転職するのかなどを含めて、ご自身に合った選択肢を整理していきます。

Q. まだ転職するか決めていなくても相談できますか?

はい。
むしろ「転職したいかどうかも分からない」「今の仕事を続けていいのか迷っている」という段階から、自分の価値観や今後の希望を整理していくことができます。

Q. 「やりたい仕事」が分からなくても大丈夫ですか?

大丈夫です。最初から明確な答えを持っている必要はありません。
これまでの経験や、仕事をしていて充実感を感じた場面などを振り返りながら、自分が大切にしたいことを整理していきます。

Q. 自分の強みや向いている仕事を知ることはできますか?

これまでの経験や行動を振り返ることで、自分では気づいていなかった強みや特徴が見えてくることがあります。
ただし、適職を一方的に決めるのではなく、ご本人の価値観や希望を踏まえて一緒に考えていきます。

Q. 復職後の働き方についても相談できますか?

はい。
心身の不調から回復し、復職後の働き方や今後のキャリアについて悩んでいる方もご相談いただけます。
現在の状態や今後の希望を整理しながら考えていきます。

Q. キャリアカウンセリングを受けたら転職しなければいけませんか?

いいえ。
転職することが目的ではありません。
今の職場で働き続ける、働き方を変える、転職するなど、ご自身が納得できる選択を考えることが大切です。

Q. キャリアカウンセリングだけを受けることはできますか?

当院では、まず診察を受けていただき、現在の状況やお困りごとを確認した上で、キャリアデザイン外来をご案内しています。
詳細については診察時にご相談ください。


エビデンス・参考文献

厚生労働省では、キャリアコンサルティングを、職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発・向上などについて相談し、助言や支援を行うものとしています。また、自身の適性・能力・関心などへの理解を深め、キャリアプランを具体化することが期待されています。

個人を対象としたキャリアカウンセリングについては、2025年に公表されたメタ解析において、キャリアに関するアウトカムだけでなく、メンタルヘルス関連のアウトカムにも有益な効果が報告されています。ただし、研究によって対象者や介入内容、効果の大きさには違いがあり、すべての人に同じ効果が得られることを意味するものではありません。

参考文献

  • 厚生労働省.キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント.
  • 厚生労働省.キャリアコンサルティングの活用・効果.
  • Milot-Lapointe F, Arifoulline N. A Meta-Analysis of the Effectiveness of Individual Career Counseling on Career and Mental Health Outcomes. Journal of Employment Counseling. 2025;62:49-57.
  • Yiğit B, Güney Uygun E, Erus SM. Do Online Career Counseling Interventions Work? A Meta-Analysis of Career-Related Psychological Outcomes. Journal of Career Assessment. 2026.

この記事のポイント

  • キャリアカウンセリングとは、仕事や転職だけでなく、これまでの経験や価値観を整理し、自分らしい働き方や生き方を考えるための支援です。
  • 転職を決めている方だけでなく、「今の仕事を続けていいのか分からない」という方も対象になります。
  • 自分の経験、価値観、強みなどを整理することで、これまでとは違った選択肢が見えてくることがあります。
  • 転職・就職だけがキャリアのゴールではなく、現在の職場で働き続けることや働き方を変えることも選択肢になります。
  • 当院では「5年後の理想的な自分」をイメージし、その実現に向けた小さな一歩を一緒に考えていきます。
  • 心身の不調から回復した後の復職や転職など、これからの働き方について考えたい方にもご利用いただいています。

「このままでいいのかな」と感じたら

「今の仕事を辞めたいわけではない。でも、このままでいいのか分からない」

「転職したいけれど、本当にそれが自分にとって良い選択なのか自信がない」

「将来について考えたいけれど、何から考えればいいのか分からない」

このような悩みを抱えることは、決して珍しいことではありません。

キャリアについて迷っているときに、すぐに答えを出す必要はありません。

これまでの経験を振り返り、自分が大切にしたいことを整理していくことで、少しずつ「自分はどうしたいのか」が見えてくることがあります。

長い人生の中で、仕事や働き方について迷うことは自然なことです。

まずは「これからどのように働き、どのように生きていきたいのか」を一緒に整理するところから始めてみませんか。

当院では、キャリアデザイン外来を通じて、お一人おひとりの価値観や希望に寄り添いながら、これからのキャリアについて考えるお手伝いをしています。

仕事や将来についてお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

監修

田中 遥/ 医療法人社団ベスリ会 ベスリ会理事長

専門:心療内科/睡眠障害内科

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実績
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5,000症例以上
TMS治療(薬に頼らないうつ治療)の実績
20冊弱
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