発達障害
発達障害とは
発達障害とは、今では診断基準であるDSM-5(精神障害の診断と統計の手引き:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)によって『神経発達障害(Neurodevelopmental Disorders)』と言われています。その中には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動性症(ADHD)、学習障害(LD)、知的障害といったものが含まれます。診断名からアスペルガー障害は外されましたが、広くとらえるならば発達障害の一つと言えます。イメージとしてお伝えするならば、認識と関係性の発達から捉えることができます。
滝川一廣(2004) こころの本質とは何か(ちくま新書)
一例としてDSM-5による自閉症スペクトラム症の診断基準をお伝えすると、以下の特徴を持つ人になります。
- 社会的コミュニケーションや社会的な相互関係の持続的障害
- 社会での情緒的な相互関係の障害
- 社会的交流における非言語コミュニケーション行動の障害
- 関係性を発展させ維持し理解することの障害
- 限られた反復されるパターンの行動や興味、活動(以下の項目のうち少なくとも2つに当てはまる)
- 型にはまったもしくは反復的な動作、物の使用や発話
- 同一性へのこだわり、決まったやり方への柔軟性を欠いた固執、儀式化された言語的もしくは非言語的行動パターン
- 強度や焦点が一般的でないほど非常に限られている大変強い興味・関心
- 感覚入力に対しての過剰反応もしくは鈍感さ、もしくは周囲の環境の感覚的側面に対しての普通でない興味
- 症状は早期の発達段階までに発現しなければならない(しかし、社会的な要求が限られた能力を超えるまで完全に現れないかもしれない。もしくは後天的に学んだ対処法で見えなくなっているかもしれない。)
- 症状によって社会や職業またはその他の重要な分野で臨床的に重大な障害が起こっている
- これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと
多くは、不器用な人であることが多く、マルチタスクをすることが苦手な傾向があります。また、「わからない」ということが日常で多いので、「わからない」と訴えられることがあります。インプットの段階で混乱したことが「わからない」状態として、アウトプットの段階でうまくいかなかったことが「不器用さ」として出てくることがあります。