スキーマ療法とは― 生きづらさの「根本」にアプローチする心理療法 ―
スキーマ療法とは?

スキーマ療法とは、幼少期からの経験によって形成された「生きづらさのパターン(スキーマ)」を理解し、より柔軟な考え方や行動を身につけることを目指す心理療法です。
スキーマ療法はどのような人に向いていますか?
以下の項目に当てはまるものはありますか?
なぜ同じような苦しみを繰り返してしまうのでしょうか?
私たちは子どもの頃からの経験を通して、
「自分はどんな人間なのか」
「他人は信頼できるのか」
「失敗したらどうなるのか」
といった考え方を少しずつ身につけていきます。
多くの場合、それは私たちが社会で生きていくために役立つものです。
しかし、幼少期の家庭環境や人間関係、つらい体験などの影響によって、偏った思い込みが形成されることがあります。
例えば、
- 人に頼ると否定される経験が多かった
- 頑張った時だけ認められていた
- 感情を表現しづらい家庭環境だった
- 周囲の期待に応えることを求められていた
そのような環境で育った場合、
「失敗してはいけない」
「人に迷惑をかけてはいけない」
「頑張り続けなければ価値がない」
「どうせ見捨てられる」
という考え方を身につけることがあります。
これらは当時の自分を守るために必要だった考え方かもしれません。
だからこそ、今もその考え方をしてしまうのは決して不自然なことではなく、あなたがおかしいわけではありません。
スキーマとは?
スキーマ療法では、このような根深い思考や感情のパターンを「スキーマ」と呼びます。
スキーマは単なる考え方のクセではありません。
感情や行動、人間関係の取り方にも影響を与えます。
例えば、
「嫌われるのが怖い」
というスキーマを持つ方は、
- 必要以上に相手に合わせる
- 本音を言えない
- 人からの評価に振り回される
といった行動につながることがあります。
その結果、自分らしさを失い、疲れ切ってしまうのです。
スキーマ療法では何をするの?
スキーマ療法では、
「なぜこんな考え方をしてしまうのか」
を責めるのではなく、その背景にある人生経験を理解していきます。
過去を掘り返す治療ではありません。
カウンセリングを通して、
- どのようなスキーマがあるのか
- どんな場面で活性化するのか
- どのような感情や行動につながるのか
を一緒に整理していきます。
そして、
「今の自分には本当にその考え方が必要なのか」
を少しずつ見直しながら、新しい選択肢を増やしていきます。
目指すのは「自分らしく生きること」
スキーマ療法の目的は、性格を変えることではありません。
また、つらい過去を無理に忘れることでもありません。
これまでの人生で身についたパターンを理解し、
| Before | After |
|---|---|
| 自分を責め続ける | 自分に優しく声をかけられる |
| 人の顔色ばかり気にする | 自分の気持ちも大切にできる |
| 頼れず一人で抱え込む | 必要な時に助けを求められる |
| 断れず無理をする | 自分の限界を尊重できる |
| 同じ人間関係の悩みを繰り返す | 新しい関わり方を選べる |
| 頑張り続けて疲れ果てる | 力を抜くことを許せる |
といった変化を目指していきます。
「生きづらさに振り回されなくなる」ことを目標としていきます。
よくある質問
Q. スキーマ療法とは何ですか?
スキーマ療法は、幼少期からの経験によって形成された「生きづらさのパターン(スキーマ)」を理解し、より柔軟な考え方や行動を身につけていく心理療法です。
Q. 認知行動療法との違いは何ですか?
認知行動療法(CBT)は現在の考え方や行動に焦点を当てます。一方、スキーマ療法は現在の問題だけでなく、その背景にある長年のパターンや人生経験にも目を向けます。
スキーマ療法は、認知行動療法を発展させて作られた心理療法であり、特に慢性的な生きづらさやパーソナリティの問題に対する有効性が報告されています。
Q. どのような悩みに効果がありますか?
- 自己肯定感の低さ
- 人間関係の悩み
- 不安障害
- 抑うつ状態
- パーソナリティの問題
- 生きづらさ
- 恋愛や職場で同じ問題を繰り返す
などに用いられます。
Q. 過去のつらい経験を無理に話す必要がありますか?
必ずしも必要ではありません。ご本人のペースを大切にしながら進めます。
一人で抱え込まず、ご相談ください
長年続いてきた生きづらさには、理由があります。
そして、その理由を理解することは、変化への第一歩になります。
当院では、スキーマ療法の考え方を取り入れたカウンセリングを行っています。
スキーマ療法は、人間関係や自己肯定感の悩みに用いられる心理療法です。
過去を責めるのではなく、現在と未来に焦点を当てて治療を行っていきます。
「なぜ同じことで苦しんでしまうのだろう」
そんな疑問をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
- Young JE et al. Schema Therapy: A Practitioner’s Guide
- Arntz A, van Genderen H. Schema Therapy for Borderline Personality Disorder
- Bamelis LLM et al. (2014)
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