仕事前の朝の吐き気・落ち込み専門外来
薬に頼らない朝の不調治療

仕事前の朝の吐き気

仕事に行こうとすると吐き気が来て途中で電車を降りてしまう

お昼から夜にかけてだんだん良くなるのに、平日の朝が億劫な気持になる。

朝の吐き気や落ち込みは心のストレスが体へ反応したものかもしれません。

★ストレスによる朝の吐き気はなぜ起こるの?

精神的、感情的な要因によっても嘔吐は起こります。

ストレスによる朝の吐き気は心理的な不安や恐怖などの心理的な要因を脳が察知し、それが直接嘔吐中枢にいく経路、または扁桃体の刺激から自律神経の調整がうまくいかなくなり、嘔吐中枢に行く経路なども考えられます。

嘔吐中枢にあるドパミンD2受容体、ムスカリン(Achm)受容体、ヒスタミンH1受容体、セロトニン5HT23 受容体、ニューロキニン受容体などが影響を受けることで朝に会社に行く前などプレッシャーがかかる際に調子を崩す可能性があると考えられます。

「心因性の吐き気」の場合、消化器症状を抑える内科のお薬ではなかなか効果が出ないこともあり、心療内科、精神科で用いられるドパミン受容体やヒスタミン受容体などをコントロールする心のお薬が脳のアプローチとして効果がある場合があります。

ストレス性の朝の吐き気 セルフチェックリスト

消化器内科や耳鼻科などへ受診し、体の病気ではないと確認できた場合、心因性の体調不良の可能性があります。

  • 決まった場所や決まった時間に症状がおこる
  • 心当たりのイベントがない日には症状がでない
  • 昼から夜にかけて改善し、夕方にはなにもなかったように食欲や吐き気が調整できる
  • 制吐剤でなかなか改善がみられない
  • 朝頭が重い感じがする
  • 出社する前から帰りたい
  • 頭にモヤがかかったように人の話が頭に入らなくなっている
  • 朝早く起きてしまう/朝すっきりと起きれない
  • 生理前になると症状が強くなる

上記の症状はこのまま何も対応しない状態でいると心身に負荷がかかり、うつ状態になる可能性もあります。

仕事前の朝の吐き気・落ち込み専門外来治療一覧

仕事に関わる副作用が少ない治療に加え、根本治療であるカウンセリングや脳の治療が働く人の朝の体調不良の治療を行うことをおすすめします。

ストレスによる身体症状の治療ポイント

A)吐き気やめまいの副作用を少なく治療ができる医療機関を選ぶ

心療内科、精神科で利用するお薬、漢方薬などを用いる場合には、お薬によるほかの副作用が出ないかに気を付けながら少量から調整をしていきます。

最初のうち慎重にお薬の調整を行えるようには週1度程度の通院頻度をおすすめします。

当院ではお仕事が忙しいかたもスムーズに治療ができるように当日予約受診のご案内や、平日は夜20時まで、土曜日、日曜日に開院をしておりますのでまずはお気軽にご相談ください。

B)仕事に影響を少なくできる、根本治療を行う

症状が出た時に対処できるお薬なども 重要ですが、なぜ「心因性の吐き気」が出てきたのかにアプローチする根本治療がより重要です。

当院では、仕事上の対人関係や仕事の成果におけるストレスに対し、トラウマカウンセリングやビジネストレーニング、身体の治療として漢方治療や鍼灸治療を根本治療として組み合わせております。

薬に頼らない心の治療法:TMS治療

  1. 薬物治療:抗うつ薬などの治療
  2. 電気痙攣療法:人為的に頭部に電気を流して痙攣発作を誘発する ※重症になったときに適応になります
  3. TMS治療:頭部にコイルを当てて脳を磁気刺激する
  4. 精神療法:認知行動療法等のカウンセリング

副作用も少なく 安全性が高いTMS治療は

「くすりが怖い」、「くすり による治療でもなかなか改善しない」という方におすすめです。

朝の落ち込みや精神的な身体症状とTMS治療

お薬の治療では消化器症状や奇形、認知機能の低下、電気痙攣療法の副作用である記憶障害などの認知機能障害がありますが、TMS治療は軽い頭痛や軽い吐き気など副作用が少ないことが特徴です。

うつ病のTMS治療は背外側前頭前野(DLPFC:Dorsolateral prefrontal cortex)と呼ばれる前頭葉にTMS治療で刺激を行います。

前頭葉を活性化することで脳の大脳皮質、扁桃体を調整し、朝の落ち込みや吐き気を改善します。

お薬よりも、副作用が少なく抗うつ効果が高い治療として世界ではTMS治療はうつ病の標準治療になっています。勉強に影響がでるかもと心配する学生さん、仕事の集中力に影響するかもという社会人、妊活や授乳中など女性と子供にも優しい治療です。

当院のTMS治療効果

どの病院もクリニックも同じTMS治療を行っているわけではありません。

TMS治療は海外に10年遅れて2019年6月に保険診療になったばかりでもあり、海外のTMS治療の知識と専門性をもつか、経験症例数や、プロトコール、日本全体の他医療機関との医療連携を実施しているかなど、TMS治療の専門性に大きく違いが存在します。

研究をもとにしたTMS治療の文献では、一般的にTMS治療は3-4割の効果が認められるとされています。

当院では、研究プロトコールではなく、より治療効果を高めるための臨床プロトコールと臨床TMS治療機器を採用し8-9割の効果をみとめています。

心理検査改善割合

※うつ状態と集中力を評価する心理検査

重症度別 TMS治療改善改善度

方法

※2020年5月~2021年1月までに当院へ来院し、TMS治療を実施した全患者

男性56%、女性44%
10代:3%,20代:25%,30代:25%,40代30%,50代:12%,60代5%
TMS治療初回時・10回目・20回目の心理検査結果の比較分析

「日本人に合わせた世界標準のTMS治療」を行うため日々データを積み重ね分析し治療を改善しています。

吐き気の原因とは?

吐き気が引き起こされる嘔吐中枢への入力は4つの経路があることがわかっています。

1)精神的な要因:不安・嫌悪感・うつ病など

2)化学受容器引き金帯からの入力:つわり(妊娠)・アルコールなど

3)三半規管の異常:乗り物酔い・メニエール病など

4)末梢の吐き気:

 ・器質的な要因:循環器・消化器・喉や舌の刺激など

 ・機能的な要因:消化菅の運動の異常・運動の低下・亢進

このうち、心理的な吐き気は精神的な要因である大脳皮質(もしくは扁桃体)から嘔吐中枢に対する刺激が原因です。

34歳男性  出社前だけに出る朝の吐き気

吐き気を克服して、営業でより活躍していきたい

転職前の会社では外回りを中心とした営業で活躍していた。

転職後営業部に配属となり、以前と同じように外回りを中心とした営業を行っていた。

しかしながら、上司とお客様との間でトラブルになったイベントをきっかけに外回りに行く日は朝に吐き気を催すようになった

その後コロナ禍となり、外回りではなくオンラインでのアポイントメントが多くなったことから症状は落ち着いていた。

しかしながら、緊急事態宣言が開け再度営業として外回りを始めるときにまた朝の吐き気、めまいに悩まされるようになった。

コロナ禍で周りがなかなか成績が出ない中、しっかりと成績をだしたことから営業リーダーに昇進となっていた。

緊急事態宣言が解除され元々得意だった外回りでさらに成績を出したいと思う一方、出社の日やお客様周りの日には朝の吐き気が強くなることに再度悩み始めた

本人としては久しぶりの外出ということもあり緊張もあるかと思っていたが、なかなか改善せず、会社に行く途中の電車で引き返したことをきっかけに治療を検討しはじめた。

吐き気が苦手であり、薬の副作用による吐き気も不安なことからTMS治療を希望された。

当院初診時 不安の心理検査点数が13点であり、集中力の心理検査点数が16点とうつ状態を認めた。

TMS治療開始後10回目で不安の心理検査は6点、集中力の心理検査が8点と改善をし、吐き気の頻度は収まってきたこと、普段の仕事の集中がしやすくなったと話されていた。その後、TMS治療30回目の時には吐き気に悩むことも少なくなり、現在では業務の集中力の維持のためにメンテナンスTMS治療を受けています。